• インタビュー
  • 2021/06/04

業界随一のテーピング男 ーテーピング文化を変える!?ー

1975年の創業以来、時代のニーズに合わせてテーピングテープ、医療衛生材料、コロコロ、断熱シートなど、多岐に渡った商品を展開している株式会社ニトムズ。同社ライフケア事業部門の岩切大作氏は都合20年以上、テーピング事業に携わってきた同社のエキスパートである。岩切氏に、テーピング業界に足を踏み入れた経緯、同社の看板ブランド・ニトリート、キネロジEX、キネロジPROの開発秘話、さらには柔整業界への熱い思いを余すことなく語っていただきました。
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岩切 大作
株式会社ニトムズ ライフケア事業部門 NITREAT営業部課長
1973年8月30日生まれ。日本体育大学卒業後、株式会社キネシオ入社。テーピング営業の傍ら、テーピングセミナーの講師を務める。のちに日東メディカル株式会社テーピング営業課に配属され、引き続きセミナー講師として学校や地域公共団体、各種スポーツ団体を訪問。2016年に株式会社ニトムズに転籍し、事業統括部門のマネージャーに就任。2020年より現職に至る。



トワテック
ニトムズさんの看板ブランドのひとつ「ニトリートテーピング」を他社製品と比べた際、優位性をどのようにお考えですか

岩切
テープは布と粘着剤によって品質が左右されるため、粘着剤にはとりわけ強いこだわりを持っています。粘着剤は生き物ですから、製造から保管まで新鮮さが失われない徹底した管理体制を敷いています。生きた粘着剤を均等に刷り込ませることで、どんな環境下でも上振れも下振れもしない、一定の粘着力をキープし続けるテーピングが生まれるのではないでしょうか。他社製品と比較をするならば、粘着剤に一番の違いがあると思います。


トワテック
「キネロジEX」(2014年発売)、「キネロジPRO」(2018年発売)の開発秘話について聞かせてください。

岩切
キネロジEX開発の前段として、2009年に優肌キネシオロジーテープを発売しました。こちらは「優肌粘着剤」と呼ばれるサージカルテープ専用の粘着剤を使用したテーピングになります。かぶれにくい反面、「もう少し粘着力があるとありがたい」とのご意見が集まり、優肌キネシオロジーテープの粘着配合を見直すことになったのです。適度な粘着力、優しい肌触り、はがした際の痛みの軽減を追求した結果、キネロジEXが誕生しました。

キネロジPROは、キネロジEXをスポーツ販促向けに改良したテーピングです。スポーツ選手にキネロジEXを試していただき、一定の評価を得ることができましたが、「粘着力が物足りない」「貼られている感覚がない」との声も多数聞かれました。貼り心地感を生むために優肌粘着剤を使わず、生地の厚さ、強さに着目することでキネロジPROを完成させました。発売以降、ご愛用いただいているアスリートの方々が着実に増えている状況です。

キネロジPROの貼り方


トワテック
最後に、ニトムズさんの今後のテーピング事業の展望、販売戦略を教えいただけますか。

岩切
僕らはテーピングの枠組みに縛られてはいません。前述の優肌キネシオロジーテープに見られるように、人に貼るものの分野で今まで不自由さや、不快に感じられていた部分を改善していくことで、商品開発や認知拡大に繋げていけたらと考えています。現在のテーピング業界は市場規模として成熟しきった状態にあります。競合乱立も激しいので、いずれはパイの奪い合いになるでしょう。弊社を含めた各メーカーがもっと互いの手を取り合い、テーピング文化を変えるくらいの流れを作り出さなければ市場は拡大していかないし、みんながハッピーにはなれません。そのためにも手を繋げるところは、繋いでいきたいですね。

おまけ動画「岩切大作に10の質問(後編)」

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取材
トワテック編集部(柔整チーム)
トワテックの柔整師・トレーナー担当部署。商品開発、通販サイトの運営、取材を主な業務としている。平均年齢は30代。

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