• インタビュー
  • 2021/08/27

リアル物療軍団トーク【前編】結成秘話!?~物療との出会い

一口に物理療法と言っても、接骨院でよく見かける低周波治療から高周波、干渉波、ラジオ波、超音波、微弱電流、マイクロ波、パルス通電など様々な機器、治療法が存在する。物療、物療機器に精通した「リアル物療マガジン」メンバーの3名(大房一宏先生、花上雄介先生、髙原佑輔先生)に、物療に目覚めたきっかけ、治療家・患者さん側から見た治療のメリット、さらには「リアル物療マガジン」誕生秘話まで、物療のマニアックな世界を余すところなく語っていただいた。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

(左)
大房 一宏
大房整骨院院長
1972年9月7日生まれ。柔道整復師。東京で整骨院、整形外科の研修を経て、地元山梨に大房整骨院を開業し12年。治療院には多数の物理療法機器が完備され、手技と合わせて症状に応じた最適な治療を提案する。SNSでは自ら「物療器コレクター」と名乗る。

(中)
花上 雄介
カナメ整骨院副院長
1984年3月15日生まれ。柔道整復師。学生時代に腰や膝、肩の故障に悩まされた経験から柔整業界を志す。副院長を務めるカナメ治療院はスポーツ関連の患者も多く、物理療法を重視した施術を行う。とりわけ、レボックスを用いた微弱電流療法に精通している。

(右)
髙原 佑輔
とんとん整骨院 物理療法指導責任者
1991年10月11日生まれ。柔道整復師。整形外科、大手整骨院グループ院を経て、現在は瀬谷崎将也代表が率いる「とんとん整骨院」勤務。物理療法のエキスパートとして後進の指導に当たり、「物療マガジン」では超音波、ハイボルテージ等の実践術を発信している。



トワテック
物理療法の具体的な話を聞く前に「リアル物療マガジン」について教えてください。どういった経緯で立ち上げられた団体なのでしょう。〝軍団〟と呼んだ方がいいのでしょうか(笑)。

髙原
一言で言えば、吉澤先生(リアル物療マガジン主催者・吉澤遼馬先生)にスカウトされた軍団(笑)。僕はなぜ呼ばれたか分からないので、その辺は吉澤先生に聞いてください(笑)。読者層はバラバラだと思います。物療にコアな先生から、これから勉強をはじめる方まで。ところで、ターゲットを決めて発信していましたっけ?

花上
いやー、広いんですよ。ターゲットが(笑)。時折、記事の方向性を考えることもあります。

大房
髙原先生は物療に関心を持ち始めた初心者・中級者に向けて、基礎知識や実践のイロハを発信している感じ。花上先生は基本から一歩進んだ、応用編ですね。物療の思考を深めてもらえるような、哲学系も入っています。一方、僕はただエッセイを書いているだけ(笑)。

花上
いやいや、大房先生は物療機器の全メーカーを網羅するくらいの情報を集めて、一本の記事に集約してくれています。一筋縄ではいかない大変な作業だと思いますよ。


トワテック
皆さんは何をキッカケに物療と出会い、その魅力に引き込まれていったのでしょう?

花上
初めて物療を受けたのが高校時代だったかな。怪我をして電気を当てられたんですけど、当時は効果の実感が湧かなかった。柔整師になってから2年程、物療をガンガンやっている治療院に勤めましたが、その時もしっくりこなくて……。「物療は効果がある」と言われながら、だったらなぜ普及しないのだろうと考えました。

トワテック
ご自身で積極的に勉強されるようになった?

花上
ええ、自分なりに勉強を始めて、メーカーの担当者と話をする中で、徐々に効果の仕組みや理屈を整理できるようになりました。うちの治療院では主に微弱電流のレボックスを用いた治療を行っていますが、一方でフォームローラーやフォームソティックス、バックジョイ等で、患者様の生活環境を整えるお手伝いもしています。もともと道具を扱うのが好きなので、物療にハマる土台はあったのかもしれません。

大房
私が物療にのめり込むようになったのは開業してからです。開業後、メーカーの営業マンがポツポツ来るようになって、週4で2〜3時間は喋っていました。「こういう機器がありますよ」「効果が出るなら使ってみようかな」、「この症状にはこちらが効果的です」「ちょっと試してみようか」。こんな感じで物療機器の選択肢が増えるにつれて、知識や機器は洗練されていきましたが、気付けば結構な規模になっていた(笑)。

トワテック
現在は何台くらいお持ちですか?

大房
細かいのを入れなければ13〜14台。ちょっと、どうかしているとは思っています。一般的な接骨院だと2、3種類ですから。ひとりで全てを使いこなすのは、どう考えても無理。スポーツカーを20台持っている人と変わらないですよ。

トワテック
髙原先生はいかがですか?

髙原
初めは物療が好きでもないし、そもそも興味すらなかったですね(笑)。ただ、以前の職場は役職に応じて習得しなければいけない施術があったんです。当時、上を目指すつもりはなかったけれど、責任あるポジションを与えられた時にハイボルテージを扱えないといけなくなりました。でも実際に使ってみると、想像以上に効果あるな、手技とはまた違ったこんな変化が出るものなのかと驚きました。物療との出会いはこんな感じです。

トワテック
今ではご自身のセミナーを開くまでに……。

髙原
瀬谷崎(将也代表)のおかげです(笑)。僕は「とんとん」に入社後もテーピングを中心に学びたかったんですけど、回り回って気付けば物療担当に。患者さんへの物療は抵抗ありませんでしたが、治療家さんに向けたセミナーとなると……。そんなある日、瀬谷崎が「セラキャン(セラピストキャンプ)でセミナーを取ってきたから、よろしくね」と。「これで100点以上を出せないってことはないよね」と(笑)。そこがスタートになりました。

大房/花上
なるほど(笑)。

(次回に続く)

※「リアル物理療法マガジン」とは?——物理療法、物療機器に精通した4名(上記メンバーに加え主催・吉澤遼馬先生)の柔道整復師が主に初心者、中級者に向けた情報を発信。〝物療のイロハ〟から症状別治療法、物療基礎理論、メーカー事情まで幅広く網羅している。毎月2日、12日、22日に記事を更新。

リアル物理療法マガジン:
https://note.com/chiryo_tara/n/nf934c6ee6735

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

取材
トワテック編集部(柔整チーム)
トワテックの柔整師・トレーナー担当部署。商品開発、通販サイトの運営、取材を主な業務としている。平均年齢は30代。

最近チェックした商品