vol.015東洋医学の概念と治療
“If all the medicine in the world were thrown in the sea, it would be bad for the fish and good for humanity.”
(もしも世界中の薬を全て海に捨てたら、魚にとっては悪いかも知れないが人間にはどんなにいいだろう)
ハーバード大学医学部 ホームス教授
今、世界の医学会で薬を患者に与え過ぎ、副作用、そして薬に依る合併症などが問題になっています。
もちろん今に始まった事ではありませんがそれに伴い、東洋医学が見直されて来ています。
でもそれは化学の薬を患者に投与するより、自然で体に優しい漢方薬をという考え、又、西洋医学に代表される対処療法に対して東洋医学的な源処療法が注目されているからです。
皆さんもご存知の様に頭痛の際に痛み止めを処方するのが対処療法で、臓腑を診て頭痛の原因を探り、元から治療し、頭痛がおきない様に治療するのが源処療法です。
慢性疾患というのは患者自身が自分の自然治癒力で直せない疾患、何年も治療を続けていてもその疾患にふたをする(軽減する)だけで治りにくい病の事です。
“We don’t just treat a problem, we treat a person with a problem.”
(私たちの治療は問題を治すのではなく、問題のある人間を治療するのです)
西洋医学は例えていうなら木を診て治療します。東洋医学はその木のある森を診て治療します。その方がより良い診かたが出来るのです。
近年、特効穴等を使うことによって対処的鍼灸治療が台頭してきました。
もちろん早く治る様に治療するのは良いことですが、しっかり全体像を把握して問題の根源を治療しなければ又、痛みや問題は戻って来ます。
僕の講演やセミナー等で習った事を同じ様にやっても効きが良くない時(このようなメールもたまに頂きますが)は最初にするべく基本治療(バランス治療)に問題があるのかも知れません。
最先端の西洋医学の知識を取り入れながら、東洋医学に誇りを持ち、即効性のある源処治療を今年も目指しています。
春にはアメリカに於ける鍼灸の実際、スポーツ障害に対する鍼灸セミナー、第4回下肢編(頚部、腰部、上肢、そしてこれが最後です)があります。
- 小松 武史先生