vol.019アメリカで鍼灸師になりたい part.1:留学篇
この10年程、セミナーや講演、その他の集まり等で僕が質問される事で多いのはアメリカで鍼灸師になるにはどうしたらよいのか、その為の情報や準備のアドバイスが欲しいと言う事です。
今回は日本の免許でどのようにしたら米国で活動出来るかをお話ししたいと思います。
世界の国、殆どがその国の医師免許をとって初めて治療する事が出来ます。
言い換えれば、米国の医師免許で日本では医師として機能しないと言う事です。
同じ事をしたいのならば、その国で取り直さなければなりません。
もちろん、免除される科目もあります。
いつも聞かれると米国で鍼灸学校に入るのが一番良いと答えます。
もちろん一から始めるのではなく日本の免許を持って行き、日本で卒業した学校の履修科目を認めてもらえます。日本での学校のトランスクリプト(成績表等)を専門の会社で英訳してもらうのが良策です。
下記は僕が使った所ですが全米にはこのような会社が数社あります。
World Education Services, Inc.
http://www.wes.org
P. O. Box 5087 Bowling Green Station
New York, NY 10274-5087
(212) 739-6100
これらの英訳したものを各学校が判断して足りない科目をとります。
特に漢方薬のクラスは日本にはないので最低300時間の授業を必修しなければなりません。
その他、医学用語(もちろん英語)、西洋薬学、栄養学などと自分の弱い所を取り直すのを御勧めします。
日本では興味深かっただけの中医学はとった方がいいかと思います。
というのは、全ての問題で診断、治療、取穴等で中医学の基礎が出来ていないと証がたてられません。
試験の際は日本で覚えた事は頭の隅に置いておいて全てを中医学で考えなくてはなりません。
今迄に中医学を学んだ事のない人は徹底的にその原則を頭に叩き込む必要があります。
でないと応用問題に解答出来ません。
学科以外ではインターンの時間数(実習時間)が必要です。
実習時間は日本での経験年数によっても変わって来ます。
その他に消毒法としてクリーンニードルテクニックという試験とCPR(心肺蘇生法)を本試験の前に受けます。
これらが受かっていないと本試験が受けられません。
そして願書に申請料$75を上記の免許、履修証明書とともに州の受験本部に送ります。
Acupuncture Board
http://www.acupuncture.ca.gov
444 North 3rd Street, Suite 260
Sacrament, CA 95811
(916) 445-3201
ここまでが試験資格を得るまでの過程です。
留学や米国での活動に興味のある方はまず、渡米して様子を見るのもいいかと思います。
- 小松 武史先生