vol.022「全身がだるくて仕方がない。」は危険!? part.2
前回は全身のだるさ、抜けない疲労感についてお話しましたが、今回もその続きになります。
全身におよぶ倦怠感に、疾患が絡んでいるかどうかは、患者様の言葉ひとつひとつから判断していく必要があります。
大きく分けると、肉体的な原因による場合と、精神的な原因による場合とがあります。
さらに、肉体的な原因であれば、それがどうして起こるかを考えなくてはなりません。
肉体的な疲労を感じる時、体の中では何が起きてどのような状態になっているか!?ということなのですが、次のようなことが考えられます。
- 組織の低酸素状態
- 血圧の低下
- ホルモン分泌の異常
- 老廃物の蓄積
- 細胞レベルでの代謝障害
そして、その原因となる疾患には、実に様々なものがあります。
細菌やウィルスによる感染症、慢性肝炎、多発性硬化症などの神経筋疾患、糖尿病や甲状腺機能低下症などの代謝・内分泌疾患、内臓の慢性疾患や悪性の腫瘍、低Na血症や低Ca血症、嘔吐、下痢など水電解質異常によるものなど。
一方、「どうにも気力が出ない。何もやる気が起きない。」という訴えに多い、精神神経疾患では、神経症やうつ病などが可能性として挙げられます。
こういったことを詳しく調べて診断を下すには、医師の診察が必要になるため、病院への紹介が必要になりますので、患者様に説明をして、速やかに専門医へ相談していただけるようにすることがベストだと思います。
- 檜垣 暁子先生