vol.023アメリカで鍼灸師になりたい part.3:試験篇
3回にわたってアメリカで鍼灸師として働く為の情報をカリフォルニアよりお送りしました。
留学篇、準備篇、そして最後の今回は試験篇です。
試験時間は4時間です。
日本人で英語の試験でハンデがあり時間延長を望む人は本部にその旨を申請出来ます。
内容は次の様になっています。
1. 患者の評価(25%)
施術者は問診で患者の既往症や症状、症候を把握し、検査法で主訴を判断し、相互関係を認識する。
施術者は西洋医学(薬学)の観点からの診断も必要とする。
- 患者の病歴/既往症/主訴の情報を得る(12%)
- 検査法の実施(9%)
- 西洋薬学の評価(2%)
- 診断法(2%)
2. 症状からの診断(20%)
施術者は症候から病の特徴や進行を見極め、最終的な診断の為に中医学に基づき、不調和のパターンを見つけて診断する。
施術者は西洋医学の病理とどのような結びつきがあるか把握する。
- 症状の印象を形づける(8%)
- 症状の相違(5%)
- 生物医学病(4%)
- 中医学的治療計画作成(3%)
3. 鍼灸治療の供給(29%)
施術者は効果的な治療穴(痛みの軽減、機能回復、不調和改善)の選択をする。
施術者は解剖学見地から取穴をして、臨床に於いて適応症との関連を把握する。
- 取穴の原則(6%)
- 鍼灸治療においての経穴(7%)
- 取穴と刺鍼(4%)
- 補足治療(4%)
- 治療においてのマイクロ治療(1%)
- 治療の修正(2%)
- 鍼灸治療の非適応症(5%)
4. 漢方薬処方(17%)
施術者は診断に基づいて漢方薬を処方する。
施術者は患者の状態に応じて漢方薬の調合や量を加減する。
施術者は漢方薬の作用を把握し、状況に併せて処方する。
5. 安全一般と法規について(9%)
施術者は法律と規制に基づき、衛生と感染について理解する。
施術者は治療院経営と患者の記録を法規のガイドラインに則って適応する一方、それらを必要に応じて報告する事を理解する。
以上が試験の委員会が定めている試験内容です。
4、5年ごとに変化はある様ですが大体こんな感じです。
要するに患者の情報を元に中医学的診断を下し、治療穴を選択し、漢方薬を処方出来る事が最低限必要です。
日本のそれとは異なるので頭をクリアにして中医学を取り込まなければ混乱してしまいます。
- 小松 武史先生