トワテック メディカルレポート

トワテック通販サイトで人気を博したトワテックメディカルレポートがアーカイブとして復刻。来院患者さまへより良質な施術を行いたいと考えていらっしゃる治療家の方に「施術に活かせるヒント」、「患者さまへお伝えすると喜ばれる健康情報」などが盛りだくさんです。

vol.030筋・骨格系の問題以外にも背痛の原因が!

毎日、治療院で患者様を診ていると、背中の痛みや違和感を訴えるケースが多いことに気付くと思います。
表現には個人差がありまずが、肩・肩甲骨付近や腰部のあたりを指して「背中が痛い。」という人もいます。

その場合に注意することは、背中の痛みや違和感の原因が、どこにあるのか?という点です。
医療機関で検査が必要になるような、重篤な疾患が関連しているケースと、筋肉を痛めたといった私達が診ることのできるケースとに、大きく分けられます。

傍脊柱筋を痛めたケースや圧迫骨折なども含め、脊椎に関わる原因が、背痛の中では最も多いと言われています。
背中の痛みを訴える疾患では、脊椎由来のものの他に、肺の腫瘍や気胸などの呼吸器系、虚血性心疾患などの心血管系、胆石や悪性腫瘍などの消化器系の問題が考えられます。

痛みの出る部位や放散痛の範囲、きっかけや経過、病気の既往歴、その他の自覚症状など、注意深く問診することが大切です。
私が診たことのあるケースでは、病院の検査では異常はなかったのですが、強い腰背部の痛みを訴える女性がいらっしゃいました。

よく話を伺うと、年内に起きた出来事の中に、「腰が痛くて、接骨院へ通っていたが良い変化がみられず、病院で検査したところ癌が見つかり、それが脊椎に転移して起こっていた腰痛だった」というものがあり、その女性は相当なショックを受けていたようでした。

筋肉や関節に対するアプローチだけでは、その女性の症状回復がいまひとつだったため、上記のことを考慮した心のケアも加えたところ、症状の回復が急速に早まりました。

「私も脊椎の癌になって命を落としてしまうのでは…」という強い不安が、腰背部痛を招くというケースでした。

檜垣 暁子先生

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