vol.032気まずい雰囲気にご用心
【スタッフを上手に叱るには?】
前回は、スタッフを抱える院長先生のお悩みとして、院内の対人関係トラブルについて書かせていただきました。
特に、多くの個性的なスタッフを抱える院長先生からは、問題点を注意するその方法にも、ものすごく気を遣ってしまう、といった声も。
今回は、上手な叱り方についてお話しましょう。
忙しい治療院では、スタッフとゆっくり話をする時間がとれない場合、何か問題点が発覚しても、ひとこと注意を促すだけだったり、そのまま見逃して、日が経ってから「あの時の~…」と話を切り出すこともあるそうです。
しかし、問題点はなるべく早めに、できればその日のうちに指摘しなければ、自分が問題のある行動をしたかどうかさえ思い出せず、再度同じ問題を起こすことになるかもしれません。
すぐにポイントを絞って指摘したほうが、注意するべきことも理解しやすくなります。
ですが、注意をされると、ついつい反発したくなってしまうタイプの人もいると思います。
避けるべきなのは、ミーティングの場など、全スタッフの前で叱り飛ばすような指摘の方法です。
治療家としてのプライドを傷つけられたと感じたり、恥をかかされた、という感情的な部分が強まり、肝心の改善して欲しい問題点に意識が向かなくなることがあります。
その後、関係性がギクシャクし、一緒に仕事がやりにくくなるかもしれません。
落ち着いた声のトーンで、注意点を説明することがベストであり、1対1が効果的です。
ミーティングの場でしか注意の機会がない場合でも、大声で感情的にならず、自尊心を傷つけないように配慮することが、その後の人間関係を維持する上で大切なことになります。
- 檜垣 暁子先生