vol.038不眠症の原因とは? ~5つのP~(前編)
ヒトは人生の3分の1を眠って過ごすわけですが、正常な心身の機能を維持するために、3分の1もの眠りが必要な理由があるのだと思います。
眠りの問題を抱える人は大変多く、患者様のみならず、先生方の中にも不眠症で悩まれている方がいるのではないでしょうか。
日頃、勉強熱心な先生もいらっしゃると思いますが、勉強した内容が記憶として整理されるのも、睡眠中であると言われています。
「知的かつ元気な先生」でいるためにも睡眠は大切なのです。
質の良い睡眠がとれるかどうかは、日常生活の影響が直接表れてしまいます。
混雑している治療院では、休憩時間があまり取れずに、心身の疲労がストレスとなり、その状態が続き不眠症に陥ってしまったという話も聞きます。
不眠症の原因を知ることは、臨床上で患者様と対話する上でも、心身の状態を判断する上で大切なことだと思います。
不眠症のわかりやすい分類として「5つのP」というカテゴリー分類があります。
この「5つのP」は、不眠症の原因である5つの、それぞれの頭文字が「P」であることから成立つ分類の名称になります。
「5つのP」の分類
- 身体的原因 Physical
- 生理学的 Physiologic
- 心理学的 Psychological
- 精神医学的 Psychiatric
- 薬理学的 Pharmacological
「不眠症」という言葉自体は、「寝不足」とも混同されやすい表現であり、患者様の中にも「私、不眠症なんです。」とおっしゃる場合でも、よくよく話を伺っていると、ただ睡眠時間が短いだけである、ということがあります。
そういった方は、眠くなればすぐに仮眠をとることが出来ますが、不眠症の人では、仮眠もうまくとることができず、心身の不快な症状がつきまとうことが多いのです。
「5つのP」のそれぞれの説明は後編でご紹介いたしましょう。
- 檜垣 暁子先生