vol.054高齢者の頻尿 考えられる原因とは?
前回は、高齢者に多い悩みである「睡眠を妨げられる尿意」について、ホルモンのお話をしました。
今回も引続き、高齢者の頻尿の考えられる原因について、ふれてみたいと思います。
「どうしてもトイレに行きたい!」と感じる膀胱の容量は、400mlといわれています。睡眠時に2回以上、尿意を我慢できない場合、「頻尿である」ということになります。1日でみた場合は10回以上です。
加齢によって、膀胱にためておくことが出来る尿量も減少傾向になりますが、腎臓の機能低下も、頻尿の原因になっている可能性もあります。
腎臓には尿が通る管があり、そこを尿が通過しつつ再吸収する働きがあります。
ですが、高齢者では、この再吸収の機能が低下してしまうことがあり、その結果尿量が増えてしまい、それが尿意につながります。
こういった理由に加え、加齢により尿量調整に関わるホルモンの濃度にも変化がみられ、高齢者では熟睡したくてもトイレで目が覚めてしまう…といったことが起こると考えられます。
今までお話したような、機能低下といった問題の他にも、疾患が関与しているケースもあるため、専門医の受診が必要になることも、患者様に伝えておくと安心かと思います。
- 檜垣 暁子先生