vol.056頻尿が考えられる疾患(前編)
前回は、高齢者の悩みとして多い「夜、何度もトイレに起きてしまい、熟睡した気がしない。」という高齢者の頻尿についてお話しました。
今回は、高齢者に限らず、こうした頻尿が関わる疾患についてご説明しようと思います。
国民生活基礎調査(平成13年度)において、40,552,000人の有訴者数のうち、頻尿を訴える人は、男性で255,000人、女性で129,000人であるとされています。
頻尿を考える際、水分をどれだけ摂取したかにもよりますが、1日に10回以上の排尿回数がある場合を「頻尿」としています。
前回お話したような高齢者の加齢による機能低下が疑われる人以外に、比較的若い女性から、頻繁な尿意の相談を受けることもあります。
そういった方の中には、1日の尿量のトータルが正常であっても、日中の1回につきの尿量減少が確認できる心因性頻尿である、というケースもあります。
女性であれば妊娠による場合もあります。
また、うつ病治療中の方や何か疾患の治療中の方については、処方されている薬剤の副作用による頻尿も考えられるため、使用中のお薬の確認や担当薬剤師へ問い合わせてもらい、頻尿の原因解明が早まるということになります。
頻尿は、外出の不安などにもつながり、「旅行でバスツアーに参加したくてもトイレが心配で…」など、それ自体がストレスになることもあるため、なるべく原因をつきとめられるように、アドバイスができると良いと思います。
(後編へ続きます)
- 檜垣 暁子先生