vol.0125敢えて教えず、見守る!
最終回のテーマは『敢えて教えず、見守る!』です。
私は、経営者を含め全従業員間で経営ビジョンや理念が深く浸透していれば、そこから内発的な行動が生まれるに違いないと信じています。
後輩から時折、『うちのスタッフは自発的に動いてくれなくて困っている。』という質問を良く受けます。
そんな時、私は「あなたは、何でも自分で決めてしまっていませんか?」いちいち指示を出してはいませんか?」と聞いています。
そのような組織であると、部下は考える作業を止め、上司からの指示待ちになり、思考停止に陥ります。
ある程度大枠を決めて任せた方が人は考えます。
社長の頭がキレ、仕事が出来るが、なんでも指示してしまう社長がいる会社ほど、人材は育っていないことがよくあります。
質問です。
会議や打ち合わせの場で、独演会になってはいませんか?
私は会議の場では、出来るだけしゃべらないように心掛けています。
たくさん話したいことがあって、ウズウズしますが我慢します。
そして皆から意見を聞き出そうとしますが、なかなか良い意見やアイデアは出てきません。
それでも皆からの意見が出るよう促します。
社内では、社長の私が一番意識高いのは当たり前です。
社長が会議などの場で、口を出したら止まらなくなるに決まっています。
社長の意見は時として、決定事項として批准されてしまいますので、出来る限り会議の場では、「ここはこうなっているようだけれども、なんでこうなっているのかな?」と、あえて質問をする形を取り、顕在化していない問題について、建設的に対話が出来るように心掛けています。
質問です。
一度任せたのに、部下の行動が気になって仕方なくありませんか?
それは、じっと我慢しなくてはなりません。
後継者を育てたいならば、権限と責任をあたえ任せることが一番大切だと思っています。
決して任せっぱなし、放任主義、丸投げ、とは違います。
『見守り』です。
『失敗しても、あとは俺がケツを持ってやる!』という覚悟をもって任せるのです。
『見守り』には忍耐が必要なのです。
じれったくとも『敢えて教えない』という精神で、グッとこらえて、見守ってあげることが成長へのカギになるのではないかと思います。
失敗しそうなときにだけ、少しだけアドバイスしてあげるよう見守っていくのです。
そうすれば部下たちは、安心して自発的に、かつ自由に動いてくれるのです。
全ての責任は院長(社長)にあり、決断するのは院長(社長)なのですから!
『敢えて教えない』というのは、このように“自発性を高める”事だったのです。
自発性を高める事で、よりやる気を高め、行動的になり、強い組織へと一歩一歩成長していくものなのではないでしょうか。
- 中山 哲志先生
- NPO全国鍼灸マッサージ協会 副理事長兼渉外広報局長