vol.0134痛風について
よく風が当たっただけでも痛い、風のように痛みが移動したり痛みが強くなったり弱くなったりと、痛風とつけられた理由はいろいろな説がありますが、疾患概念としては、高尿酸血症が基礎にあり、関節内に遊離された尿酸結晶が沈着し、急性関節炎いわゆる痛風発作を起こします。
しかし、必ずしも高尿酸血症患者さん全員が痛風発作を起こすわけではありません。
発作の要因として暴飲暴食などアルコール多飲後・冷え・pHの低下など尿酸結晶流出要因は他にもいくつか挙げられます。
初期症状として、大体の方がまず痛風とは思わず捻挫とかを疑い痛風と認めないケースが多々あります。
症状は痛みというよりは、シクシクと感じます。
徐々に痛みに変わり、腫脹・熱感・発赤を伴い、激痛は1日以内に絶頂を迎え徐々にまたおさまってきます。
発症部位の多くは母趾のMTP関節です。
それなので外反母趾や捻挫といったものと間違いやすいです。
その他にそれぞれの関節に発作が起きます。
最近では発症年齢が若くなり、多くは30歳代から痛風発作が起きます。
男女比でみると、男性が圧倒的に多いです。
予防としては、生活指導が大事なカギです。
肥満の解消・適度な運動・暴飲暴食を避ける(特にプリン体含有量の多い食品やアルコール摂取の制限)などの生活習慣の見直しと共に血清尿酸値を6,0から6,5mg/dLに維持できるよう定期的に診察・検査が必要です。
- 北村 大也先生
- 整形外科医