vol.0137患者様への感謝に勝るものはない
今回は、良い治療家になるために、「患者様への感謝に勝るものはない。」です。
多くのみなさんがすでに感じておられることと思いますが、患者様への素直な、感謝の気持ちが、施術者としての人格・技量・知識を創っていきます。
患者様は、我々施術者へ次のことをしてくださいます。
「信用」とは
患者様は我々をプロ、先生として信用してくださり、身体を預けてくださいます。
これは、大変大きな責任であります。
全身全霊をかけ、身体の異常を見つけ出し、良い施術をしてその信用に応えたいと思います。
また、その真剣で地道な日々の繰り返しが、自己を成長させ、気づけば自分でも気づかないほどの高みへと登りつめます。
「礼儀」とは
患者様は我々よりも年上の方が割合では、多くおられます。
その人生の先輩が、我々施術者に対し、礼儀を尽くして接してくださることが多々あります。
例えば、帰られる時に「ありがとうございました」と深々と頭を下げ御礼を言ってくださったり、30年も年上の方がこちらのことを様々に、気遣ってくださったりなどです。
こういった事に触れ、感謝することにより、施術者の礼儀礼節の気持ちが高まっていき、治療の所作にも風格としてあらわれます。
「許す」とは
施術者として、人間として、未熟で至らないことがあった時に、大きな寛容の心で許してくださり、それに救われ、反省し、次に必ず活かしていこうと、成長の機会をいただき、人間としての優しさを示してしてくださいます。
これは、私自身が身をもって経験したことです。
それは、施術で刺激量が多過ぎ、逆に症状を悪化させてしまったことがありました。
その原因は、慎重さや患者様の信頼をしっかり受け止めていない私の驕りからくるものでした。
それにも関わらず、人として許してくださったことが、今日の私にとって大変大きな大切なものとなっております。
「教える」とは
無言の中で、なぜ人間は年を取るのか、健康とはどういうことか。
自然の循環とはどういうことかなどを教えてくれます。
これは、自然の摂理を人間として深く考える機会となり、自分のやるべきことを明確にしてくれます。
以上のように患者さまへの素直な感謝の気持ちが、様々なことを気づかせていただき、施術者として、人間として成長していき、「患者様への感謝に勝るものはない。」と思います。
- 西川 和義先生
- NPO全国鍼灸マッサージ師協会 兵庫支部副支部長