トワテック メディカルレポート

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vol.0156膝蓋大腿関節症について2

さて今回は次回の続きで膝蓋大腿関節症の評価とリハビリについて整理していきます。

前回でも述べたように膝関節は多関節なので、単一のアプローチだけでは症状は改善しません。
評価として大事なのは、止まっているときのアライメントの評価と、動いているときのアライメント評価です。
静的アライメントの評価では、膝蓋骨可動性・立位のアライメント、片脚立位のアライメントを確認します。
動的アライメント評価は、歩行、スクワット、フォワードランジ動作、股関節伸展テストなどで確認します。

もう一つ大事な評価として下肢の筋の柔軟性です。
柔軟性が欠けることにより、アライメント異常が起きてしまい痛みに繋がります。
これらをしっかりと分析し原因が把握できたらリハビリです。

まず膝蓋骨周囲の正常化を図ります。
これは、膝蓋骨が正常な位置にいないまま筋強化をおこなっても出力が低下してしまうからです。
なので、膝蓋骨上嚢のマッサージを加えると効果がでやすいです。
あとは、ストレッチをおこないアライメント調整をし、股関節筋群と内側広筋の機能改善を主にエクササイズをおこないます。

例として、大腿骨の前捻角が大きいと股関節が内旋・内転位となります。
と同時に外旋筋群・外転筋群の筋力低下が起きます。
なので、股関節の外旋筋・外転筋のエクササイズが必要となります。
運動強度も、部分的な荷重から全荷重。
膝関節から股関節、体幹へと実用的な動作、日常生活動作に徐々に繋げていく事が大事です。

何度も言うようですが膝蓋大腿関節症は、疼痛因子が膝関節だけではなく股関節・足関節の機能も関与しているので、多面的なアプローチが必要となってきます。
しっかりと形態を把握し、その症例にあったリハビリ指導が早期の痛み軽減につながっていくのです。

北村 大也先生
整形外科医

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