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vol.0157前十字靭帯(ACL)損傷について サッカー、ラグビー、バレー等々寒さが強くても選手たちは勝利に向かって熱い戦いを繰り広げています。 これらの種目でも比較的多くみられる前十字靭帯損傷を2回に分けてチェックしていこうと思います。 今回は解剖・発生機序・治療です。 ACLは大腿骨外顆の後内側窩より脛骨隆起に向かって付いています。 このACLは2種類の前内側線維と後外側線維とに分かれ、前内側線維が膝伸展、後外側線維が膝屈曲と、それぞれが異なる膝屈曲角度で緊張する為、結果的に全角度で膝関節を安定させています。 このような構造が、大腿骨に対し脛骨の前方移動の制御や前内方への回旋制限に役立っています。 それにもかかわらず、脛骨が過度に前方へ移動したとき、ACL損傷が起こる訳です。 その他、発生機序の例としては、膝関節伸展位のまま急にストップする場合や急にストップすると同時に方向転換をする場合。 さらに、ジャンプ動作での着地時に多いと言われています。 損傷してしまったら、保存療法か手術療法を選択します。 保存療法と言っても、ひとまず活動性を下げたくない場合に適応し、短期間の治療選択になります。 さらに、グレードⅠより重症ないずれの靭帯損傷も合併せず、半月板損傷も全層にわたる軟骨損傷もない事が条件となります。 保存療法の中心はリハビリテーションになりますが、そちらは次回に説明いたします。 切り返し動作や、ジャンプ、横方向への動きを含むスポーツへの復帰を望む選手には手術療法を考慮します。 再建材料には色々ありますが、代表的なものは膝蓋腱の中1/3と、半腱様筋腱と薄筋腱の二重束です。 その材料を使い、時間にしておよそ1時間30分~2時間かけて再建を行います。 最近では再建靭帯の固定法の進歩により、再建靭帯を傷めることなく術後から全荷重をかけ、膝をフルに伸展可能になってきました。 その中でも、どのような運動が再建靭帯に負担をかけてゆるみを出すかなど多くの研究があるので、次回はリハビリテーションをメインに詳細をご紹介していこうと思います。 北村 大也先生 整形外科医