vol.066危険な女性のダイエット
健康状態を害するようなケースでのダイエットは、医師の指導の下、正しく行われるべきですが、とくに若い女性では、痩せる必要もないケースでも、無理にダイエットを行っている場合があります。
楽しく行うことのできるダイエットならまだ良いですが、我慢を強いられるような心身にストレスのかかるダイエットは、長い目で見てもおすすめできません。
女性のダイエットが、体に負担をかけるものであると、月経に異常がみられたり、体力が低下したりと、理想的な体型に変化する前に、体調不良としての変化があらわれてしまうかもしれません。
問診の際に訴える不調を、無理なダイエットを行っていないか、という点も含めて考える必要があると思います。
月経異常や、疾患は無いのに赤ちゃんがなかなかできない…といった患者様の中には、ダイエットに関わる食生活、過度な運動などが関わっている場合もあるため、生活習慣について上手に問診して、どのようなアドバイスが必要であるか考えます。
スポーツ選手ではないのに、1日の運動量が非常に多く、それが日課となっている人がいます。
有酸素運動や筋力トレーニングを欠かさず、体脂肪率が著しく低下すると、女性ホルモンに関わるコレステロール値も低下してしまいます。
コレステロールは性ホルモンの材料でもあるため、結果的にホルモンバランスが崩れ、イライラ、不眠、月経異常、排卵が行われないといったことが起こりえるのです。
ダイエット情報に敏感な人にとって、「体脂肪」や「コレステロール」は、悪者としての印象が強いかもしれませんが、体にとって不必要なわけではありません。
そういった話もおりまぜながら、体の不調なくダイエットを行うことができるように、患者様にアドバイスをしましょう。
- 檜垣 暁子先生