vol.073日米教育相違点から見る実技の必要性について part.2
前編では米国にはインターンシップ制度がある事を話した。
これは解剖、生理、病理、衛生、、、など基本的な科目を取得し、経穴や取穴、実技の授業を終えた生徒が学内の試験に合格し、初めて患者さんを目の前にして学ぶ実践的かつ臨床的な授業である。
約1000時間のインターンシップでは患者さんへの問診、視診、触診、そしてそれらの情報から証をたて、治療方針、取穴、そして治療となる。
もちろん僕たち教授がスーパーバイザーとして後ろにいてひとつひとつをチェックする。
チェック要項は患者さんの主訴に対してインターンが適切なアプローチをしているか、治療方針は間違っていないか、そしてそれらに対してスーパーバイザーが取穴や漢方薬処方のアドバイスや確認をする。
一人一人が使う部屋は毎回違っていても使うものは殆ど同じなので部屋にヒーリングの音楽を入れたり、アロマセラピーを使ったり、気分が落ち着く様に装飾したりとある程度インターン個人の自由が許される。
患者さんはもちろん外来で腰が痛いとか肩が痛いとか、また内臓疾患であったりと色々だ。
日本では多くは筋肉疾患(痛みに対しての治療)が主であるが米国では内臓疾患も漢方薬を併用したりとそれらの治療の需要も多い。
治療費はかつて(僕が学生の頃)$25ぐらいであったが今では$38(エンペラー大学院附属治療室参考)となっている。
外部での一般のクリニックでの一回の治療費は$70(僕のクリニックでの治療費)から$300ぐらいとばらばらであるがその中でも$38は安い方である。
もちろん生徒自らの治療ではあるがスーパーバイザーが付いているので高いか安いかは患者さんの評価になる。
次回はこの日本ではないインターンシップ制度の違いが学生にどのような影響を与えるかを考えていきたい。
- 小松 武史先生