vol.074こむら返り
気になる記事を見つけたので、それについてご紹介したいと思います。
日経メディカル2011年5月号で、『こむら返りに神経ブロック』という記事が載っています(ネット上では会員限定の記事ですが)。
その前にこむら返りの基礎知識を少しおさらいしてみます。
こむら返りは、急激な筋肉の痙攣によって起こり、非常に強い痛みを伴います。特に下腿以下の下肢の筋肉で起こります。
その原因は末梢神経の障害とも筋肉などの電解質異常とも言われていますが、はっきりしたことは分かっていません。
原因となる疾患には、筋萎縮性側索硬化症、尿毒症、血液透析、肝硬変、糖尿病、電解質異常、腰部脊柱管狭窄症などがあります。
治療法ですが、痙攣した筋肉をストレッチしてあげることで急速に回復します。
病院で処方される薬としては漢方の芍薬甘草湯が一番多く、発症時にお湯に溶いて服用します。
その他マグネシウム等も使用されますが、あまり一般的ではありません。
さて、中には難治性で週に何度も、毎日のように起こしてしまう患者さんもいます。
そのような患者さんに、注射療法が有効であったというのが今回の日経メディカルの記事です。
葛飾区の高山整形外科病院の伊藤院長はこむら返りで日常生活に支障を来していた32人の患者にブロック注射(深腓骨神経ブロック)を行ったところ、全例で発生頻度が月1回に減少したそうです。
注射の場所は、母趾と第2趾MP関節の間の圧痛点だそうです。
鍼灸で言うところの太衛という経穴ですね。
正直、なぜ効果があるのかは分からないようです。
また整形外科一般で行われている治療でもありませんのでご注意ください。
こむら返りの復習といった感じの記事でしたが、参考になれば幸いです。
- 北村 大也先生
- 整形外科医