vol.091事務用品メーカーの雇用モデルから教わる
今回は知的障がい者を積極的に採用している、チョークでシェア第1位の会社から学びたいと思います。
1937年の会社設立後、二代目社長に転機が訪れます。
1959年、養護学校の教師に、知的障がいの生徒に就業体験をさせてくれるよう依頼されます。
当初は断ったそうですが、教師の熱意に押されて2名の生徒の就業体験を2週間引き受けます。
簡単なシール張りつけ作業を任せたのだが、とても嬉しそうに作業をこなし、毎日、笑顔で帰って行く。
そして、「もっと働きたい」、と言い出したのです。
この時の様子を顔馴染みのお坊さんに話し、言われた言葉がこちらです。
「人間の幸せとは次の4つです。
私たちのハンドトリートメント業界。
人の役に立ち、人から必要とされ、人からほめられる仕事です。
とても幸せな仕事なのです。
しかし、どれだけの治療家、施術者が幸せを感じながら働いているでしょうか。
もしも、その幸せが報酬や周囲との人間関係などの他の要因で阻害されていると言うのなら、それは決して不幸でもなんでもない、と言う事です。
治療家、施術者、セラピスト等は幸せな仕事です。
与えられた環境を理解し、感じながら仕事をしなければなりません。
現在、こちらの会社の従業員75名のうち、54名が障がい者です。
皆、活き活きと働き、業績も伸ばしています。
私も当社の施術者、介護職員、保育士に今後もその幸せを伝えていきたい、と思います。
- 安村 遠先生
- NPO全国鍼灸マッサージ協会 東京支部支部長