創業1659年の老舗「釜屋もぐさ本舗」。厳選された国内産Aランク原草を使用し、伝統の石臼挽き製法でじっくり丁寧に作られた艾は、その心地よい香りから多くの専門家を魅了し続けています。「釜屋もぐさに初めて触れたのは学生時代」と語るマホロバ鍼灸院の中川先生に、同社の看板商品の一つ『カマヤミニ』の魅力についてお話しを伺いました。


初心者の方はまずスモークレス。セルフにはfitがイチオシです

僕の場合、基本的には透熱灸を用いて施術を行っていますが、灸頭鍼もよく使います。カマヤミニはその補助として利用していますね。僕は週に三回程、出張鍼灸に出掛けるのですが、出張先でカマヤミニと灸頭鍼を併用すると煙がたくさん出るので、最近は『カマヤミニスモークレス』を愛用しています。特に鍼灸が初めてという方にはスモークレスをまず試してみて、熱かったら途中で切り替えるようにしています。温熱刺激は強めですが、今まで施術で水ぶくれを起こした経験はありませんし、そういった意味でもよく使いますね。粘着力が優しく感じられるので、肩など斜めの位置では注意しなければいけませんが、フラットな部位なら問題ありません。煙の少なさ以外で優れていると感じるのはコンパクトなところ。僕が出張鍼灸に行くのは山間部の集落なんです。出来るだけ持ち物を減らしたい。押し棒とは別にもぐさをプラスチックの容器に入れて、バッグにしまっています。カマヤミニシリーズは一部を除いて水をつけて使うタイプなので、シートがない分、かさばりません。とにかく持ち運びする時に軽量化できるのがいいです。

一方、お客様がご自身で使用する際には『カマヤミニfit(フィット)』を勧めています。fit(フィット)は粘着部分がシートになっているので、しっかりとくっつきます。しかも肌に優しく作られているので、剥がしたとき、ネトっとした糊の成分が残らない。イチオシですね。加えて、これは釜屋さんの商品全般に言えることですけど、もぐさの香りが穏やかです。僕はこの香りが好きですね。匂いがキツすぎないのは、品質の高い国産もぐさだからでしょう。

透熱灸のもぐさも色々と試した結果、釜屋さんのものを使っています。香りも、きめ細かさも一番しっくりくるかなという感じです。パッケージも昔ながらのレトロな雰囲気が気に入っていて、うちの治療院に飾っていますけど、みんなイイ反応しますよ。僕が鍼灸学生の頃だと、円筒灸はカマヤミニしかなかったんじゃないかな。〝初めて使ったお灸〟ですから、当然思い入れも強い。今では様々なメーカーから円筒灸が発売されていますけど、この先もカマヤミニに落ち着くんだろうな、と思っています。価格は無視できませんが、品質に一番信頼を感じられる点は大きいですよ。